ブッダダンマ各論

ブッダの教えについて各論、雑感を述べていきます。初めての方はブログもどうぞ。http://mucunren.hatenablog.com

無為

これまでも何回か述べてきましたが、有為のものと言うのは存在のために存在が必要なもの、原因と結果、発生と消滅を繰り返すものと言う意味です。 我々人が六根(五感と心)で認識しているものは全て有為です。 物質の色、形や音、臭い、味、触感はもちろんのこと、心で感じる考えすら生じては消えるものです。どれも永遠に続くものはありません。いつも変化しています。 つまり有為なものは、全て無常です。 肉体や心も有為なので無常です。

一方無為とは有為の反対のもので、存在のために存在が必要ないものです。例えば物理法則は、目に見たり手に取れる存在はありませんが、存在しています。 ブッダダンマ、つまり滅苦のダンマも無為のものです。 無為のものは発生しないので消滅もしません。循環に組み込まれていないので、永遠に存在します。 涅槃も無為のものですから、当然手にとって見ることも、音を聞くこともできません。しかし、物理法則と同じで存在を知る、感じる事は出来ます。つまり涅槃は手に取って見ることはできませんが、それを知る、感じることは出来るものです。 なので、自分が涅槃になる、とか涅槃を手に入れる、私の涅槃、などと言うことは出来ません。 なので正しい表現は「涅槃に到る」、「涅槃を知る」、あるいは「涅槃を感じる」と言う事になります。