ブッダダンマ各論

ブッダの教えについて各論、雑感を述べていきます。初めての方はブログもどうぞ。http://mucunren.hatenablog.com

縁起と輪廻

肉体の死後の輪廻は皆さん関心のある話題の様です。

第一義諦の縁起の話も生老病死の因果の話があるので、死後の輪廻について語られていると言う見方も当然あり得ます。むしろそう取る方が自然です。

ブッダは普通の人が死後に再び生まれる原因は渇愛(欲望)だと述べています。この死を文字通り肉体の死と解釈しても良いのですが、それだと苦は一生のうちに一度しか生じない理屈になります。

人生を通じて実際に苦しい思いをするのが一度な訳はないので、縁起の教えが肉体の生死だけに限定されると見るのは無理がありますし、現実にも当てはまりません。

何よりブッダは度々「生きている間にすべきこと」「渇望を捨て去り、今後気を付ける必要がある/ない」と比丘に教えています。このことから、第一義諦である縁起に述べられている苦は、肉体が生きている間に何度も生じる頻繁なものであることを示唆していると言えるでしょう。それならば人生において何度も苦が発生する事実とも合致します。

しかしもちろん、縁起はまるきり肉体の死後の輪廻を否定もしていません。死後新たに生まれる事を許容するなら、なるべく善行をすべきでしょうし、本当に輪廻を害と感じて、輪廻から抜けたいなら渇望を捨てて縁起の流れを消滅させるべきでしょう。

この辺は各自が何処を目指すかと言う話になってきますが、ブッダは「輪廻は害」とはっきり述べていますから、やはりこのダンマを学べたことを貴重な機会と見て、輪廻から解脱することを目指した方が良い様に思えます。