ブッダダンマ各論

ブッダの教えについて各論、雑感を述べていきます。初めての方はブログもどうぞ。http://mucunren.hatenablog.com

無明、我語取、五取蘊

縁起は、真実をありのままに見られない状態である、無明から執着が生じて苦になる事を教えています。

無明があるので四種の執着(取)が生じます。欲取、見取、戒禁取、我語取です。欲取とは五欲(目耳鼻舌体)の満足への執着です。見取とは自分の考え方に対する執着です。戒禁取とは、効果のない祈願、儀礼、儀式を正しいと思い込む執着です。我語取とは、これら全ての執着の原因となる「自分」「自分のもの」と言う感覚への執着です。

我語取さえ捨て去れれば(抜き取れれば)、他の全ての執着は捨てる事が出来ます。何故なら執着する主体となる「自分」と言う発想がなくなるからです。自分がないのにどう執着するのでしょう?これは不可能です。

この様に我語取を捨てる事が出来れば、無常のものを間違って「自分のもの」と掌握しないので、苦はありません。これが苦の終わりです。

五取蘊とは何でしょうか。五取蘊とは体である「形」、感覚である「受」、自覚、記憶などである「想」、考え、心を作り出す「行」、感覚をもたらす認識作用である「識」のこれら五蘊を「自分自身」「自分のもの」と執着することです。五取蘊を捨てられれば、これは我語取を捨てられたのと同じなので、やはり苦の終わりになります。

いずれにせよ、無常で変化するこの心身を「自分」「自分のもの」と執着しなければ、苦はありません。

要約すればこれがブッダの教えの全てであり、完璧な滅苦を行うための唯一の方法です。