ブッダダンマ各論

ブッダの教えについて各論、雑感を述べていきます。初めての方はブログもどうぞ。http://mucunren.hatenablog.com

はじめに

このダイアリーはブッダの教え、ダンマに関する各論です。生きることの苦を減らすためにブッダが発見した、生きている人のための様々な教えについての議論、エッセイを書いて行きます。最初から学びたい方は一から学ぶブッダの教えをご覧になってみてくださ…

四聖諦を学ぶ

四聖諦はブッダの発見した最高の真実です。どういう形であれ四聖諦を知らない人は、無明が原因で生じる苦から逃れる事は出来ません。四聖諦は苦に関する自然法則なので、数学や物理学の様に独力で発見する事も理屈の上では不可能ではありませんが、普通はと…

「私」を捨てて二の矢を避ける

前回の記事では「私は正しい」が怒りの燃料だ、怒りで「二の矢」を受けていると言う事を見ていきました。 実は深く事実を観察すると、人は怒りに限らず、ほとんど常に「私は正しい」を燃料にして行動しています。ぼんやり散歩に行くときなどですら、まず「こ…

「正しい」怒り、ニの矢

「正しい」怒りなんてある訳ない、と仰りたい方はいるかもしれません。それはその通りなのですが、その話は一端置いて、ここではまず怒りとはどう生じるかと言う話を見ていきます。 例えば電車に乗っていて、大音量のイヤホンを付けた人が隣に来て、酷く音漏…

「自分」と「所有」

どのような人でも、普通に生きていれば「自分」と言う感覚が生じます。人に限らず、すべての生き物は多かれ少なかれ「自分」と言う感覚によって動いています。例えば赤ん坊でもお腹がすいたり眠かったりすれば何とかして欲しいと泣きますし、良い感覚の時に…

受で止める

受(感覚)は、六根である目耳鼻舌体心に光音臭味接考が接触し、それらを意味付けする六識が合わさる事で生じます。例えば目に光が入り、その情報を認識(眼識)、意味付けする事で眼受が生じます。これはどう言う事でしょうか。例えば流行の服装をした人とすれ…

因果に関する、触、中道、縁起、我語取、五取蘊について

仏教には色々な教えがあり、因果、中道、三相、三学、縁起、四聖諦、五力、七覚支、四念処、八正道、など、本当に沢山の単語があります。これらを全部それぞれ丸暗記するのも大変で、時間もかかります。 しかし、仏教とは心身に関する自然法則(ダンマ)の教…

虫、殺生

普通に生活していれば、蚊を叩いて殺す、あるいはハエを殺虫剤や蝿叩きで殺すと言う事はあると思います。 鶏を飼っている家なら肉にして食べることもあるかもしれません。 この種の日常的な殺生は、生活のため、生きるために必要なものとして自然に受け入れ…

絶対的、相対的価値観

世間では「絶対的な価値観はない」とか「多様な価値観を認めるべきだ」と言うような話があります。しかし、全ての人にそれぞれの価値観があり、それらを全て認めるということは、「力が強い者が全てを制し、他者から奪っても良い」とか「私あるいは我々こそ…

寂しさ、孤独感とその克服

六根の喜びが苦、というのはこのブログの読者の方ならばご存知でしょうし、感情はそれを「自分のもの」と思って支配されれば苦です。当然「寂しい」「孤独だ」と言う感情も例外ではなく、むしろ普通の人にも解りやすい苦です。 少なくとも「寂しくて幸せ」と…

戒律、パーティモッカと経典の内容

ブッダはダンマ(ブッダの示す真実、教え)を説き始めて間もない頃、サンガ(比丘、出家の集団)の規模が小さく皆に自分の目が届いて直接教育できるうちは、比丘の理解も深く行いも正しいのでパーティモッカ(戒律、決まり)は定めないが、サンガの規模が大…

戦争、争い、恨みについて

今年で原爆投下から70年が経つ事になります。また、今日は長崎で原爆が投下された日でもあります。兵器は人を殺傷する目的の道具であり、全てが非人道的なものですが、原爆はその最たるものであり、決して使用してはいけないものです。どの様に取り繕った所…

核兵器と原子力

あまり世俗の話をどうこう述べても因果、縁生の循環の話にしかならないのですが、原子力の問題はその循環を見るための好例と言うことはできます。 1945年8月6日、広島に原子爆弾が投下されてから今年で70年が経ちます。被爆された方もその大半が亡くなり、年…

嘘の損得

平然と嘘をつく人を見かけることは珍しくありません。人を導く立場である筈の聖職者、教師などでも嘘を付いている人は残念ながら少なくない様です。 これは何故でしょうか?それは嘘を付いた時に生じる大きな損失が見えずに、嘘によって得られるその場凌ぎの…

既婚者はどう生きるべきか

欲望から生じる執着が苦の原因です、執着を減らすために性的な事から離れなさい、心を誰かに依存するのを止めなさい、と言うのがブッダの教えです。しかし当然ブッダの存命時にも結婚して家庭を持っている在家の信者はいました。 在家信者、特に収入の担い手…

結婚、妊娠、出産、育児 その2

*この話は深いダンマです。世間の常識的価値観とは相容れない四聖諦の見地からの内容ですので、その種の話が受け入れられない方はお読みにならない事をお勧めします。 セックスによって妊娠すると、本人を含めて周囲の人も結婚と同様にそれを良いことだとし…

結婚、妊娠、出産、育児 その1

*この話は深いダンマです。世間の常識的価値観とは相容れない四聖諦の見地からの内容ですので、その種の話が受け入れられない方はお読みにならない事をお勧めします。 人類はかなり昔から少数の例外を除いて結婚と言う制度を用い、妊娠、出産によってその存…

心の老いと死、輪廻

肉体が必ず老いて死ぬ事は誰もが認める事実ですが、心も肉体と同じ様に老いと死があります。 例えば子供の頃に大好きだった泥遊びやごっこ遊び、がらくた集め等を、大人になってからその時と同じ気持ちで楽しむことは普通出来ません。 あることに夢中になっ…

「慢」の煩悩

慢心と言う単語はよく耳にします。何かしら自分は優れているとか、義務から解放されているとか、その種の「自分は他者より優位な状態にある」と言う心の状態が慢心と言えるでしょう。 「優れている」と感じるのは、必ず何かしら自分の立場や能力などに自信を…

性欲の克服、不浄観

ブッダヴァチャナ(ブッダの言葉)を見ていると、渇望を捨てなさいと言う教えが何度も出てきます。 渇望の中でもとりわけ性的な事を避けなさい、捨てなさいとあります。男女の分け隔てなく、性的な欲求から来る衝動や満足に、ほとんど誰でも夢中になっていま…

貪瞋痴と習慣について2

自動車の運転などでもそうですが、慣れないうちは一つ一つの動作をかなり意識的に行う必要があります。また、判断も動作も練度は低く(要するに下手で)、時間もかかります。 例えば狩猟生活や農業などの生産活動を考えれば、必要な動作や判断がいつまでも下…

貪瞋痴と習慣について1

仏教は煩悩(ぼんのう)の三毒である貪瞋痴(とんじんち)を減らす事を説きます。貪瞋痴とは何でしょうか。 貪欲(どんよく)、瞋恚(しんに、怒り)、無痴(むち、無知)の事です。 貪欲は何かを強く欲しがる、したがる衝動です。欲には何かしら満足するも…

休日と仕事、義務

GWも本日が最終日ですが、休みの日とは言えゆっくり心身が休まるとは限りません。 行楽などに出掛ければ楽しいかわりに身体は大変疲労したりします。嫌々付き合いで行ったりすれば疲労は倍増です。まして家族サービスのためなどで長距離を運転したりすれば尚…

無欲とは

「仏教は無欲を説く」と言うと「欲が無いと食欲も睡眠欲も無くて死んでしまうのではないか?」と言う疑問が当然生じると思います。 確かに欲が無くなれば死んでも構わない訳で、完璧に悟った阿羅漢はいつ死んでも構わない心の状態になる訳です。 しかし、完…

三つの幸福

幸福と一口に言っても人それぞれ何を幸福と言っているかが異なります。 真実をありのままに見るためには、言葉の定義はしっかりしなければなりません。 悪人が他者から何かを奪い取って満足するような事も悪人の言う幸福です。 また、六根の喜びに満足するこ…

花を美しいと思う心

美しい花を見て「美しい、、、」と感じたり、赤ちゃんや猫などを見て「可愛い、、、」と思う人は沢山います。 至極普通の事ですが、ダンマの視点から見ればその人達は目で見た美しさにうっとりして陶酔しています。美しさ、可愛さを「自分のもの」と掌握する…

怒りと性欲、その仕組み

ブッダの教えを見ていると、ほとんどが欲(特に性欲)と怒りの話と言う印象を抱くことがあります。 考えてみれば確かに人が苦しむ原因の大部分は欲と怒りなのです。 欲(性欲)は素早いもので、多くの男性は魅力的な女性が近くを歩いているだけで目が釘付け…

怒りと苦しみ

怒ると言うのは本当に苦しい事で、怒っているときに無上の幸福を味わっている人はいないでしょう。 私もダンマを学んで実践するまでは、瞬間湯沸し器の様にすぐカッとなる様な性格でしたが、それこそ毎日24時間、我、身勝手を減らす様に心を注意してきて、最…

無明、我語取、五取蘊

縁起は、真実をありのままに見られない状態である、無明から執着が生じて苦になる事を教えています。 無明があるので四種の執着(取)が生じます。欲取、見取、戒禁取、我語取です。欲取とは五欲(目耳鼻舌体)の満足への執着です。見取とは自分の考え方に対…

縁起と輪廻

肉体の死後の輪廻は皆さん関心のある話題の様です。 第一義諦の縁起の話も生老病死の因果の話があるので、死後の輪廻について語られていると言う見方も当然あり得ます。むしろそう取る方が自然です。 ブッダは普通の人が死後に再び生まれる原因は渇愛(欲望…